フォトフォビアのブライト
評価: 0+x
blank.png

乾杯ー!

いやー俺と久しぶりに飲めて嬉しいだろ?最近忙しかったもんな。お前の方が東京行っちゃうから全然会えないし……

仕事どう?こすもはまぁ……不器用だけど適応しようとする意思みたいなのはあるからさ。正直あんま心配してないけどね。でもあんま休めてなさそうじゃん。俺が来るからっつって部屋片付けてくれたみたいだけど、キッチンとかちょっと汚れてたし。

誰がお母さんだよ。お前昔は結構精神乱してた時期もあったし心配なの!新幹線乗ってる間も体壊してないか気が気がじゃなくて……こういうとこ?こういうとこか。まぁお前が大丈夫ってんならいいけど……大丈夫?じゃよかった。

俺?俺は見ての通り絶好調だよ。エリート財団博士の俺の心配なんかすんなって。うちのサイト平和極まりないから変わったことなんか何も起きなくて、話せることもないんだけどさ。お前らも街で頑張ってくれてんだよな。ありがと。

あ待って、話せることあったわ。

俺、ジャック・ブライトと仕事したぞ。


古びた駅を出発したバスに揺られて40分。
降りたバス停を数分歩くと、財団の送迎車が俺を迎え入れる。さらにそこから、1時間半。
人里から離れに離れた山奥。財団のサイトの多くはそうした場所にあるし、俺の職場もそうだった。
久々の休みで街に戻っていた俺は、改めて自分の働き所の不便さを痛感していた。

「お休みは何をされてたんですか」
「1日ぐらいじゃたいしたことできねーってー。近所の店にカード買いに行って……化粧品買い足して……あとこれも買った」

そう言って俺はカーディガンの襟元をすこし引っ張って、隣の座席で一緒になって揺れている助手に捲って見せる。

「新しく買ったんですか?かわいらいしですよ」
「ふっ!ありがとな。同じ服でローテ組んでると飽きてくるからさ。休みの度には買い足さないといっつも同じ服着てるやつになっちゃうだろ」
「制服着てる方々だってそうでしょう。鱪博士のこだわりも素敵だと思いますけどね」
「ダサいダサい。制服なんてさ……まぁ俺もそうだわ」
「確かにですね。こんな山奥を1人で目指す女子高生なんか誰かに見られたら、心配されちゃいますよ」

鱪 討。サイト-81██所属。博士。研究分野は民俗学。たまに歴史も。
男。身長は158cm。体重は秘密。
普段の服装はセーラー服。

「人なんかいねえけどな」

文字数: 1171

アーカイブに移行

特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License