まあまあ、そこに腰掛けておいてください。
何か不明な点でもありました?オリエンテーションが来週にございますが。
……なるほど。つまり貴方は私に教えを乞いに来たと。この部隊の存在意義は何か、それとここで生き延びるためにはどうすればいいか、それを私に教わりに来たと。そういう訳ですね?入隊時の挨拶にて、何か質問があった時のための所在を教えたのも私自身でしたね。分かりました。では挨拶から。癖なものでして、どんな形であろうとオリエンテーションは自己紹介を最初にしないと気が済まないんですよ。では。
えー、これより、機動部隊て-0 ("第四軌条")の事前オリエンテーションを始めます。これからこれからの職務、心構えなどを話させて頂きます私、当部隊東京本部て-0-1 研究隊隊長、登山とうやまです。これは貴方に向けた予習なので、来週のオリエンテーションの参加については自由ということにさせて頂きますのでどうぞよろしくお願いします。
さて、突然ですが貴方、我々『第四軌条』の使命は何か答えられますか?
正解です。
知っているとは思いますが一応聞きました。万一ということもありますからね。一応復習しておきましょう。
我々の使命は『日本における地下鉄での確保、収容、保護及び隠蔽工作』です。街中、山、河川、海。通常の起動部隊の活動場所であるそれらのどれにも当てはまらない『地下路線』からのアプローチでべールを守る。これは皆さん誰もが知っていることだと思います。でも疑問に思ったことは無いでしょうか?「なぜ地下鉄なんていう狭い場所のためにこんな起動部隊があるんだ?」とね。これからそれについて説明するために、まずは日本における地下路線についてお話ししましょう。
日本での一日の地下鉄の利用者数。何人いると思いますか?
いやもっとです。その2倍近くいます。凡そ1,200万人です。イメージしにくいと思うので具体的に言うと、大体九州にいる人数とほぼ同じです。
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