SCP-3242-JP
クレジット
タイトル: SCP-3242-JP - L I F E G A M E
著者: Enderman_desu
作成年: 2023
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「コンテンツ」とは、文章、画像、音声、音楽、動画、ソフトウェア、コードその他の情報のことをいいます。
SCP Foundation Database側で問題が発生したため、ドキュメントの読み込みを停止しました。現在、SCP-3242-JPを記述する主要な電子情報は参照施設-27の管理下にあり、情報の大部分は一部の職員に対してのみ公開されています。これは、定められた手順に対して順守が求められるMCアノマリーに対しての措置であり、関係していることから結論付けられました。
あなたがDoMCデータベースに精通した職員でない限り、この文書の閲覧は推奨されません。適切なエンコーダが何らかの原因で機能しない場合、未解明の情報災害に暴露する可能性があります。
エリ・フォークレイ博士、誤伝達部門
ユーザーアカウントに問題が発生したため、データベースをセーフモード起動で閲覧します。このモードでは、当該ファイルに関連する重要性の高い自動エンコーダが機能しない可能性があることに留意してください。ようこそ、カロン・マクダイス通信士。
特別定義/ECOPHAGY・TRUCULENT: アイテムは制御不能な自己複製現象とその排出物であり、アイテムのもたらす収容課題は、それ自体の環境全般を消費・破壊します。この収容違反は、連鎖的な自己複製プロセスの拡大と分散を促します (K-クラスシナリオ: NK-クラス”グレイ・グー”を参照) 。また、アイテムは予測不能であり、収容は変化し続ける状況に適応しなければなりません。
特別収容プロトコル: SCP-3242-JPの注目すべき性質が変則的であるため、現在の当該オブジェクトに対する評価は保留されています。アノマリーと、アノマリーに関与する民俗伝承の大部分に概念的関係性が認められる場合、SCP-3242-JPのサブコンポーネントに対する確保の試みは優先的な課題となります。SCP-3242-JPは喫緊のデータベース問題に対して包括され、これらの言説と同様に調査の対象に置かれなければなりません。
前哨基地-58に直通するアクセスポイント。
説明: SCP-3242-JPは、位相空間の非常な位置に存在する、単一または複数の個体より構成される未確認の生物種を指します。SCP-3242-JPは、観測上「ゲル化」した不定形の実体を持ちますが、一部は特定の形態を保持することが可能であると判明しています。何れかの変異した形態において、SCP-3242-JP本来の外見的性質を推測することは極めて困難です。
変身 (Shapeshifting) を題材とした作品『竜の牙を播くカドモス』
SCP-3242-JPは前哨基地-58特有の内部構造に精通し、潜伏することで、現在まで財団による収容を免れています。SCP-3242-JPに指定される実体の一部は明確な知性を持ち、財団または人類のコミュニティに対する敵対性を主張しているか、実際的にそうである可能性があります。SCP-3242-JPの一部が知性を獲得した詳細な経緯は不明であるものの、判明している種の繁殖行動から、該当個体は霊長目/または高い確率でヒトとの異質同体である可能性があります。
SCP-3242-JPは、異なる生物・非生物の摂食により (不明な手段を介して) 遺伝情報を共有・嵌合することが可能であり、そのような性質により突然変異を自発的に引き起こします。該当の変異プロセスを満足すると、SCP-3242-JPは摂食した生物の外見的特性・生態を模倣するようになります。この変異プロセス自体は、民族文化・文明の諸領域における「シェイプシフター」として知られる存在との概念的関係性を有します。
起源: SCP-3242-JPとの初期遭遇は近年であるものの、当該生物種自体の誕生に関する正確な年代は判明していません。SCP-3242-JPは、2024年の初頭に発生した前哨基地-58での大規模収容違反に続き、該当地点の大部分を侵食する形で出現したことにより発見されました。
発見当時、前哨基地-58が記録上存在する地点には、根本的に構造の異なる所有者不明の施設が存在していました。外見上の性質は類似するものの、その外見には明らかな劣化の兆候が見られ、建造物の建設から数十年以上が経過していることが確認されています。建造物の標識、設計図、残存するデータベースの回収結果から、この施設が以下の識別情報を有することが発覚しました。
SCP財団 削除部門所有
研究本部ムネモシュネ
財団が該当の部門を所有していたという事実は存在せず、遡及的/将来的にこの部門が設立される予定はありません。熟慮ののち、データベースは安全にサルベージされました。成果物のうち、注目すべき情報は存在しませんでした。
現在、SCP-3242-JPの大部分は「研究本部ムネモシュネ」の構成要素に浸透しており、このため内部調査が困難であると判断されています。後述されるムネモシュネの性質に加え、SCP-3242-JPの積極的な妨害が存在することから、調査は限定的なものに留められています。
補遺3242-JP.I » 回収された情報
前文: 長期間にわたる調査の結果、研究本部ムネモシュネの残存するネットワークシステムの一部が、財団のイントラネットに整合する事が明らかになりました。これを受け、参照施設-27では、隔離ネットワークを用いてムネモシュネから情報を回収する試みが実施されました。その結果として、財団イントラネットの数か月以上前に遡るバージョンの報告書エントリの1割と、SCP-3242-JPについて言及する電子情報の復号データを回収することに成功しました。
プロジェクト・クロージャ報告書 (抜粋)
日付: 2025/01/20
記録: B・アロラ
概要: プロジェクト・クロージャの実行から200時間以上が経過している。基地の内部発電施設は機能しておらず、炉心溶融によると思われる放射能汚染が広がっている。現在、SCP-3242-JP-Aを含めた稼働中のシステムを制御できる人員はおらず、残りの人員は基地の全保護バンカーに留まっている。
プロジェクト・クロージャは不成功に終わった。サブコンポーネントは解体の必要があり、全世界的な影響を緩和することは出来ない。電子文書・アナログデータの圧倒的大多数は破損するか、隠蔽されたデータに対してのみ無機能となる。
詳細: システムは問題なく稼働中であることが伺える。しかし放置すれば、SCP-3242-JP-Aの力能はより高い水準に到達し、これによりデータベースの制限は更に悪化することが想定されるだろう。我々は事象の背後にある識別を理解することが出来なくなり、やがて全体が永続的に不可知となる可能性が高い。SCP-3242-JP-Aの能力とは漠然とした「情報隠蔽・秘匿」の機能であり、このため我々は一部を正確に認知し得ない。
全保護バンカーの能力は、SCP-3242-JP-Aの設計書類や多様なデータベースの一部を保護することが可能である。残されたリソースは”SCP-3242-JP”のプレースホルダー文書の維持に集中するため、我々の現在の主要な目標は、これらの”データベース”を可能な限り保護することである。
SCP-3242-JP-Aにより秘匿されたデータ・メモリの内、現在確認されている敵対エンティティのデータは以下の通りである。これらのエンティティは、いずれもSCP-3242-JP-Aの稼働後に露見した存在群であり、古い説明において「伝承」である事に留意せよ。
1. SHAPE SHIFTER (SCP-3242-JP)
不定形・可変の存在であり、検知した生物の外見的性質を完全に模倣する性質を有するアノマリー。現在、前哨基地-58の内部構造に浸透する形で侵食を続けており、明確な知性を持つ。「シェイプシフター」は発祥元不明の都市伝説として言及されており、一般的には民俗ホラー作品として認知されている。
2. CHUPACABRA (SCP-____-JP)
南米付近で目撃され、その後の民俗伝承として言い伝えられるUMA。家畜の血を吸う、1.8メートル前後の身長を持つ、驚異的な身体能力を持つ、などの特徴で知られる。現在失踪中。
3. SPIRIT (SCP-____-JP)
全世界的に伝承が広がる存在であり、その言及は地域・文化により異なる。一般的には死者の魂の顕現であるとされ、亡魂とも呼ばれる。プロジェクト・クロージャ以降、世界各地で目撃証言が多発している。
幽霊 (GHOST) 、悪魔 (DAEMON) 、雪男 (ABOMINABLE SNOWMAN) を含む、500+のエントリを省略
SCP-3242-JPを筆頭とするエンティティの一部は、クロージャの本来の目的に反して活性化し、生存のため積極的な活動を行っている。これらの生物群が伝承に基づく存在に代表される理由としては、単に我々が活性化した全アノマリーのリストを作成できないことが挙げられる。大多数のアノマリーに関しては正確な識別子を失っており、もはや我々の知覚の範囲に存在しない。唯一、漠然とした伝承として語られるエンティティの一部が、ここに記録されている。
関連する情報の保護に成功したのち、全保護バンカーは沈黙するだろう。
資料館により調査が行われましたが、文書に記録されるエンティティ「シェイプシフター」他に該当する民族伝承は存在しないものだと結論付けられました。記録上これらの民族伝承が存在した形跡は無く、しかし存在するとの観点で説明されていることから、財団は以上の情報を自動的に隠蔽された逆説的ミーム存在であると判定しました。これらの情報が全世界的に失われた経緯や、現在のデータベースのどれ程が「正確で」あるのか定かではありません。
復号データと調査記録の一致から、施設-27は一時的にSCP-3242-JPの情報を復号データに依存し、以降の調査を開始しました。現在のところ、”SCP-3242-JP-A”と呼ばれる機能の稼働・もしくは超過により、SCP-3242-JPを含む一連の収容違反が発生したとする主張が一般的に支持されています。
これらの情報を前提として、参照施設-27では合同会議が開催されました。
補遺終了
補遺3242-JP.II » 会議ログ3242-JP.I
参加者:
- キャロル・ラオ局長 — 参照施設-27 司令
- アダム・マウロ管理官 — 参照施設-27 資料館管理者
- スコット・ガマー博士 — 前哨基地-58 超常工学者
- カロン・マクダイス通信士 — 参照施設-27 対外通信オペレーション
- 他、参照施設-27に滞在する19名の監督者/技術者/研究者/収容スペシャリスト。
前文: 前哨基地-58の職員であるスコット・ガマー博士は、事件前後の時期に参照施設-27に移動していたことで影響を免れました。後日の聴取結果に基づき、ガマー博士を招集職員の一部として追加することが決定されました。
«ログ開始»
マウロ管理官: もっと多くの職員が配属されていると思ったんだがな。
ラオ局長: いいえ、これで全員ですよ。頭数が少ないと思うことでしょうし、私もそうです。ですが、-27の関連セクションから招集できたのはこれだけです。
マクダイス通信士: 他の職員は?
ラオ局長: 他の職員はいません。
マウロ管理官: ふむ — 仕事は続けなければならん、生き残りが僅かでもな。ガマー博士、何か思い出せたことはあるか?思い出せるか?
<ガマー博士は会議室の席にもたれこみ、書類に目を通している。>
ガマー博士: 大体は。データベースに関する原理には不明な点も多いですから、知識が不正確だと感じることもあります。でも正確な点を説明できそうです。
ラオ局長: そちらの施設で何が研究されていたのか、教えていただけますか?データベースとは何です?
ガマー博士: データベースは現実です。基本的には、総合的な全ての時間軸、多次元位相反復、観測可能領域のモデルなどと呼ばれるでしょうが。これらは常に静的であり、現実内部の構成要素の進化・縮退・湾曲に合わせ変動し続けるものです。
マウロ管理官: ここが (床を指差す) — データベースだと。
ガマー博士: デジタルシステムの類推だと考えてください。データベースは単にデータベースであり、割り当てられたメモリに対して情報の書き込み、読み取り、更新、そして削除を行う。現実でも同様に、割り当てられた絶対量の宇宙が存在し、生命は生まれ、死に、繁栄し、時に崩壊する。ライフゲームだと考えるべきかもしれません。
マクダイス通信士: なるほどな。SCP-3242-JP-Aと呼ばれる兵器について知っていることはあるのか?
ガマー博士: プロジェクトの成果物です。過去の何れかの時点において、我々は皆それを知っていた筈です。プロジェクト・クロージャは-27と-58の共同計画です。思い出せますか?
マウロ管理官: (間を置く) いや。
ガマー博士: データベースの管理を行うための計画です。現在も参照施設-27で進められている後継のプロジェクトがあります。プロジェクトは、全世界規模で増加し続けるアノマリーの問題に対処するための、数多のプロジェクトの一分野でした。記録によると、アノマリーの増加率はここ数年で急速に増加しており、自然界のバランスを無視して際限なく繁殖しています。
ラオ局長: それは確率論的な事象だと捉えるべきですか?自然発生なのですか?
ガマー博士: どちらでもありません。彼らは最初から同じ個体数を保っています。アノマリーはそれ自体の繁殖方法が存在しない単一個体であるケースが多く、故に彼らは長命です。その起源は不明であるものの、圧倒的多数が紀元前より存在していました。電子存在、ミーム、概念具現化、神格、疑似生命。彼らは神話の時代に誕生した後、諸領域の記録において出没し、人類文明に度々発見されながら歩んできました。
マウロ管理官: 民族伝承の多くが事実であり、過去数百年にわたって真実を秘匿し続けてきたのが我々だという事実は、言うまでも無い事だ。だが、それらの伝承は明確にアノマリーの存在を示すものではない。寓話的なのだ。
ガマー博士: アノマリーの発生数の増加は、近年の情報システムの普及により発生したコミュニティが証明しています。それらの大部分は虚偽でしょうが、一部は正確です。どちらの場合でも、社会を揺るがすようなヴェール危機をもたらしかねない存在こそがアノマリーです。
マウロ管理官: プロジェクトの成果物は、彼らに何を施したんだ?
<ガマー博士は暫し硬直する。>
ガマー博士: 彼らを隠蔽しました。
マウロ管理官: 単刀直入に言う。我々は君たちがどういう犯罪を引き起こしたのか手短に説明してほしいと思っている。こんな事に時間を割きたくないんだ。
ガマー博士: それだけなんです、管理官。…申し訳ありませんが。私は設計詳細を記憶していません。思い出せないのです。我々が彼らを隠蔽したのには理由がありますが、言語化にリスクを要するものです。
マウロ管理官: 構わない、話せ。
ガマー博士: …アノマリーという存在は、人類に対して普遍的に悪影響を及ぼすか、または敵対的であるケースが多いでしょう。彼らは何故、人類全体に普遍的に敵対的なのか?-58ではこうした研究に焦点が当てられました。一説では、一般的な生物の防衛機制に関係するものだと考えられています。
我々がアノマリーを認知するとき、彼らもまた我々を認知します。一見して不可解であるように思えますが、この関係性は人間の思考と叡智圏精神圏構築の作用、またそれらの相互関係について察知可能なアノマリーのイデア的構造により理解されます。この関係性に基づくと、一部の敵対的なアノマリーは我々の認知を逆に察知しており、自身の防御のため普遍的に敵対化していることが推測できます。
こうした実例の研究で、アノマリーの防衛機制を人為的に削除することが不可能であると結論付けられた後は、方針が変更されました。現在の方法論では、データベース上に存在するこれらの相互関係を破綻させるための代替プロセスとして「抽象化」が用いられます。
マクダイス通信士: 抽象化?
ガマー博士: より理解しやすいEshuクラスの例で言えば、我々は彼らの詳細な外見的性質、特徴を言及することができません。このため、コミュニティ間での言及・拡散はEshuクラス全体に対する「抽象的な」概念を説明するに留まり、先述の相互関係に干渉しません。我々はこれを発展させ、SCP-3242-JP-Aを開発しました。
SCP-3242-JP-Aは、対象物と人間の認知の間に存在する概念的関係線を抽象化し、これらの接続を削除します。隠蔽や秘匿と呼称されるのは、このプロセスです。その後、デバイスの影響下に存在する全ての人々は対象物の詳細を認識できなくなり、やがて相互関係から切り離されます。
ラオ局長: それを行うことで、我々は一般的にどのように変化するのですか?
ガマー博士: より具体的には、我々はアノマリーを認識しなくなります。一部の具象化されたアイデアや不安、恐怖心を残して情報は抽象化され、誰もがアノマリーに対する記憶を失うようになります。こうなる事で、アノマリーは我々を認知しなくなり、初期状態の適切な位相反復へと帰還するでしょう。3次元空間から失われるか、あるいは視界から全くもって消失します。
マウロ管理官: なるほど。そして現時点で分かっているのは、SCP-3242-JP-Aの何らかの異常か、あるいは想定されなかった事象により異変が発生し、そのデバイスは1つ1つ、我々の”データベース”から情報を削除していった。だろう?
<ガマー博士が頷く。>
マウロ管理官: なら問題は単純だろう。我々の部隊が-58を調査し、SCP-3242-JP-Aの概念的簡約物か設計書類を発見し、その停止を実行する。それでいいか?
ガマー博士: それが可能なら、という前提ですがね。
<ガマー博士が額を指で撫でる。>
ガマー博士: 知っての通り、私の本来の知識はSCP-3242-JPとサブコンポーネントに精通しており、記憶補強剤により再び想起することが可能です。ですが — ですが、何らかの原因で設計書類についてだけは思い出せないのです。今回の議論の主題はここに存在します。私の憶測では、SCP-3242-JPと呼ばれる実体 — あのエンティティが情報を侵害しており、その”反-ミーム”的な性質のために、我々はアレを回収できないのだと思います。
マクダイス通信士: -58のデータベースを回収できないか試す予定だ。
ガマー博士: 無駄でしょう。セキュリティシステムを何かが操っています。
マクダイス通信士: どういう —
ガマー博士: 前哨基地-58のネットワークシステムは、定期的にアクセスする事務官の権限によりロックされています。どうやら我々をよく知る者が抵抗しているようで。
マウロ管理官: どうすべきだ?ならば我々に何が出来る?
<沈黙。>
ガマー博士: 彼らに話を聞く必要があります。削除部門に。
ラオ局長: ガマー、彼らは存在しません。我々の記録にも記憶にも存在しない、悪意あるエンティティです。彼らと交渉するつもりはありませんよ。
ガマー博士: そうでなければ、我々は原因を特定できないどころか、文書に示された通りのシナリオを迎えることになるでしょう。全ての概念は不可知となり、我々は暗闇の中で死ぬ。どうか検討を。
ラオ局長: 考慮しておきます。彼らに何を伝えるのですか?
ガマー博士: 伝える?いいえ、逆ですよ。我々が彼らに教えてもらうんです。
«ログ終了»
後文: 本会議の終了後、ガマー博士は誤伝達性アノマリーに関する調査チームを新たに動員し、SCP-3242-JPに関連するファイルの全体的な捜索を命じました。この結果、SCP-3242-JPの関連するディレクトリに”隠された”プレースホルダー文書が存在することが判明し、復号化により回収されました。
文書の全体的な概要は、前哨基地-58が実施していたと推測されるプロジェクト・クロージャに関するものであり、不測の事態により-58全体が機能不全に陥る場合には、基地局の専用のネットワークに連絡する必要がある旨が記述されていました。この伝言についての熟慮ののち、参照施設-27の特定の保護された職員が、ネットワークを介した通信を試みました。
補遺終了
補遺3242-JP.III » 通信ログ抜粋
参加者:
- カロン・マクダイス通信士 — 参照施設-27 対外通信オペレーション
- 2名の監督者/監督補佐。
前文: プレースホルダー文書に示された情報を参照し、発見されたネットワークに対する通信の試みが実施されました。通信の文脈は簡略化されています。
«ログ開始»
<通信開始から約10分の間、不規則なノイズが記録される。この間のマクダイス通信士の発言に対し、応答する声は無い。10分後、ノイズに混じった機械音や衝撃音が鳴り、徐々にそれは音量を上げていく。機械音がピークに達すると、直ぐにノイズが解消される。>
不明な音声: 君が連絡してくれることを待っていた。
マクダイス通信士: すまない、記載されたネットワークは既に発見していたんだが、残る通信局への確認が優先だと判断させてもらった。お前が削除部門か?
不明な音声: そうだ。我々は削除部門だ。君たちと同じだが、位置も形態も異なる。形態に意味はない。私たちは皆、そこに存在しないが存在する。裏を返せば、私たちは臨機応変に対応できるということでもある。
マクダイス通信士: 単刀直入に聞くぞ。SCP-3242-JPと呼ばれるエンティティが前哨基地を崩壊させたことで、次々と通信障害やら放射能汚染やらが発生し、幾つかの関連するエンティティが脱走した。そしてお前たちが出現し、前哨基地は存在を保てなくなり、やがて緩やかにお前たちと置き換えられた。俺たちは-58に侵入することすら出来ない。残りの生存者を救う方法が無い。
不明な音声: すまない、その件に対しての疑問がある。私はそこに存在するのか?
マクダイス通信士: お前が-58と入れ替わりで出現した。
不明な音声: ならば、それはムネモシュネだ。研究本部は、遍在的なメモリ領域のランダムな地点で休止するのが本来だ。だが事象が発生し、削除部門が動員されなければならない問題に対しては、我々は動く。ムネモシュネを対象のブロックの近隣に配置し、調査を開始する。
マクダイス通信士: 問題とは何だ?
不明な音声: データベースだ。不具合を起こしている。私たちは理由を知っているな。待て……SCP-3242-JP-Aだ。
マクダイス通信士: 分かるのか?
不明な音声: 私たちの誰かが、プロジェクトの関係者だった可能性が高い。だがある人物は、データベースの問題により詳しい。だが最も重要なのは、それ以外にも無数の記憶が存在し、それらがプロジェクトを指し示していることだ。私は削除部門など知らないが、プロジェクトについて-58で勤務していた経験を持つ。彼は技術者だが、俺はただの作業員だ — 詳しいことは知らない。
誰かがプロジェクトに関わっていた。それは2人だった。それぞれがSCP-3242-JPの餌食となった。死んだ。削除された。1人は成り代わった。死んだ皮を被り、今もSCP-3242-JP-Aを支配している。それは止まらない — データベースの大部分を削除するまで。君たちを処刑するまで止まらない。殺された者の名はウィリアム・ホルバー博士。
マクダイス通信士: SCP-3242-JPは何をしている?
不明な音声: 奴は技術者になった。奴はSCP-3242-JP-Aを自在に制御できる唯一の生存者だ。奴を殺せ — さもなくば、奴を殺せない。素性を割り出すには、死者本人の記憶が必要だ。
マクダイス通信士: どうやってお前らから分離しろと?こっちはお前たちに干渉することすらできない。
不明な音声: 墓碑銘 (epitaph) だ。
マクダイス通信士: 何?
不明な音声: 墓碑銘を探せ。死因を、生い立ちを教えてくれ。私の中に存在する数多の記憶の中に、見つかるかもしれない。その記憶を辿って、シェイプシフターは化けの皮を暴かれる。私たちには墓が必要だ。
マクダイス通信士: どうすればいいのか —
不明な音声: 墓は私たちが見つける。だが最後に銃弾を放つのは君たちだ。私のために筆跡を用意し、紙が出現するのを待ってくれ。そうすれば銃弾が当たるだろう。私たちはデバイスを停止できる。
<沈黙。>
不明な音声: 他に方法はない。
«ログ終了»
後文: 通信記録を踏まえ、参照施設-27では監督者会議が招集されました。協議ののち、隔離されたネットワーク環境と「削除部門」のネットワークを接続し、SCP-3242-JPのプレースホルダー文書を配置する暫定的な処置が取られました。監督者間の評価では、この手法によりSCP-3242-JPの問題が解決する可能性は極めて低いと結論付けられていました。
補遺終了
End of file 1/2
SCP-3242-JP
LIFE GAME
File 2/2
特別収容プロトコル: SCP-3242-JPに関係する全ての収容作戦は、暫定的な情報提供のもと削除部門と連携して実行されます。対象物の収容作戦は、データベースへの保存・他の固有兵器への共有を目的とするコンテクストにより進行し、適切な通信のもと完全に記録されなければなりません。その手続きをオペレーション・アンダーテイカーとして定義し、関連する予備文書はデータベースの特別なセクションへ保管されます。
注: 以下のファイル・データは、削除部門のサルベージ結果に基づきます。
削除部門のシンボル。
説明: SCP-3242-JPは、データベース上の悪化する問題に際して現在の位相空間に出現した、可変性異質動体 (シェイプシフター) です。SCP-3242-JP-Aの起動に端を発するデータベースの問題が悪化すると、SCP-3242-JPを含む各種の敵対的エンティティが出現するようになり、これらは前哨基地-58および該当のサブコンポーネントに対して敵対的にふるまうようになりました。
SCP-3242-JPと「シェイプシフター」の概念的関係性は、これまで文明レベルで観測される民俗伝承・ホラー作品の一部として見做されていました。現存する民俗伝承の圧倒的多数が不特定多数の異常現象を伝達する重要なベクターである事が判明して以降は、「シェイプシフター」とSCP-3242-JPの関連性は概念レベルで同一視されます。
SCP-3242-JPは、現時点で前哨基地-58の隠されたエージェントに擬態しているか、または施設全体の内部構造に深く浸透しているため、発見および拘束することが不可能な状態に置かれています。この結果として、SCP財団は後述のサブコンポーネントを停止・解体できない状況下にあり、このシナリオの進行による不特定のK-クラスシナリオを誘発する可能性が危惧されています。
SCP-3242-JP-Aは、前哨基地-58のフロア-r34内部に安置される固有機械 (口語的に「デバイス」と表現される) であり、プロジェクト・クロージャの成果物です。この産業機械は、喫緊の課題であるデータベースの急速な圧迫に対する一時的回避策であり、データベースの大部分を「隠蔽」する機能を保持します。
SCP-3242-JP-A操作モデルは、それ自体の存在論的・不可知論的/またはオントキネティック的複雑性のために形骸化する可能性があり、そのような無力化の可能性を最小限に抑制するため、フロア-r34の除外室に留め置かれます。このような状況下においても、SCP-3242-JP-Aはデータベースを経由して財団イントラネットと間接的に接続されており、アーカイブ全体の凡そ1%を受信する事が可能です。このため、SCP-3242-JP-Aの内部構造にはストレージ機能が含まれ、データベース問題に対する (現存する) 唯一のバックアップ機構として機能します。
SCP-3242-JP-Aの能動的機能の全体はデータベースの隠蔽により実現されます。「隠蔽」は、一般的には対象物に関する本質情報の操作であり、情報の秘匿を意味し、SCP-3242-JP-Aの実例において同様の意味をもたらします。SCP-3242-JP-Aは、分類されたデータベースの一部/大部分を選択的に隠蔽することで、人類全体の遡及的・恒常的な認識から削除し、関連する伝承・歴史・概念、そして存在を忘却させることが可能です。
人類全体の普遍的な意識が対象物を忘却する場合、対象物と人間の認知の間に存在する概念的関係線は希薄化し、やがて喪失されます。このプロセスの最終成果は、対象物と人類全体の相互関係を削除することにより、アノマリーと人類が相互に認知しなくなる恒常的な状態をもたらします。このプロセスは永続的で、アノマリーにより将来的にもたらされる損害を完全に抑えることが可能です。
起源: 2018年に、SCP-3242-JP-Aおよび概念モデルがスコット・ガマー博士により提唱され、後の研究過程でフィリス・ファーマー博士およびウィリアム・ホルバー博士により理論化されました。2025年までの最終的な過程でSCP-3242-JP-Aが完成・運用開始されると、その後のデータベース隠蔽に続いて (何らかの理由により) SCP-3242-JPを含むエンティティが出現するようになり、前哨基地-58の治安維持は徐々に悪化するようになりました。最終的に、2025年9月までの期間で前哨基地-58が崩壊し、その地点の調査のため削除部門が動員されました。
[削除済]、削除部門
オペレーション・アンダーテイカー: 現在、SCP-3242-JPは前哨基地-58のサブコンポーネントを含む全領域に浸透している可能性があり、内部に残留する全ての職員 (生存・喪失を問わない) がSCP-3242-JPである可能性を払拭できません。収容試行の現在の焦点は、「削除部門」のゲシュタルト意識から関連する情報を回収し、SCP-3242-JPの拘束に必要な形跡を発見し、SCP-3242-JP-Aを安全に停止することに当てられています。
前哨基地-58の内部構造は激甚に崩壊しており、人員の導入による探索が困難であると判断されています。こうした状況で、前哨基地-58と融合する形で出現した、研究本部ムネモシュネ/削除部門の残留するネットワークが有用であると判断され、オペレーション・アンダーテイカーが計画されました。SCP-3242-JPの無力化を目的とする全てのオペレーション手続きは、削除部門のゲシュタルト意識に精通する唯一の存在、即ち削除部門自体によって執り行われなければなりません。オペレーションの要素にアクセスする職員は、本文書が削除部門の断片的なネットワーク接続の影響下にあり、不規則かつ不適切な方法により加筆修正が行われる可能性を事前に予期しなければなりません。
オペレーションの成果物は、儀式的手順を含む文書に記入されることで効力を発揮し、削除部門の予想される意識に対して効果的に作用します。成果物 (エピタフと呼称) に関する言及は損なわれてはならず、文脈情報を可能な限り保存しなければなりません。
以下報告書の意図的な余白・要素・記入セクションは、削除部門による連携およびオペレーション手続きの記述のため存在します。特別な許可が無い限り、以下のセクションを改変しないでください。
MARK YOUR TOMBSTONE
通信士のカロン・マクダイスだ。応答願う、ウィリアム・ホルバー博士?
聞こえるぞ。
そうか、君が。オペレーションは既に開始されている。我々の目的は前哨基地-58の回復だ。誰がシェイプシフターで、他はそうでないのかを確認する必要がある。記録上では、君は殺害されたことになるが —
私たちは削除された。
私たちは削除された。
私たちは削除された。
ええと、言い方の問題か?
違うぞ、通信士。私たちは文字通り削除されたのだ。最初の殺人事件が起きて、そしてシェイプシフターがSCP-3242-JP-Aを掌握してからは……何も起きなかった。因子は全て、シェイプシフターの制御により削除されたんだ。
私はシェイプシフターに殺された。
何度か気になっていたことがある。何故「シェイプシフター」だと分かる?その独特なユーモアは認めてやるが、我々は依然としてその架空の生物の実態を確認できていない。何が君をそう確信させている?
シェイプシフターは……架空の生物ではない。前哨基地-58がそれを証明している。彼らは実践した。完遂した。
財団がシェイプシフターを生み出した。故にナンバーはSCP-3242-JP、プロジェクトの成果物の1つだ。
…オーライ。プロジェクトの目標はデータベースの縮退と隠蔽だった筈だ。
そこが肝心だ。プロジェクトの成果物であるSCP-3242-JP-Aは、表向きには機能を安定させていた。だが不安定な要素が常に存在していた。SCP-3242-JP-Aにかかる負荷を抑えなくてはならなかったから、我々は処理のプロセスを1つ追加することにした。
その処理とは?
統合だ。
補遺3242-JP.IV » 副計画提言
PROJECT 3242-JP/PRIME
SUB-PROPOSAL 19480
2025/01/19
ウィリアム・ホルバー博士
前哨基地-58
目的: SCP-3242-JP-Aの処理負荷を低減するための、制御下オブジェクトの搬入。
プロジェクト概要: SCP-3242-JP-Aとして知られる固有産業機械は、個々のアノマリーと人類意識の相互関係を削除することにより、データベース上のエンティティ増加傾向を抑止することのできる (現存する) 唯一の産業機械である。一方で、SCP-3242-JP-A特有の性質は大量の電力を常に消費するため、サイト内外から供給される電力量に対して、効果的なふるまいを発揮することが出来ていない。
プロジェクト3242-JP/プライムの主目的は、データベース上で際限なく増加し続けるアノマリーを可能な限り削減することにある。現在、前哨基地-58は民俗伝承・言説・都市伝説に関係するアノマリーを多数収容している。これらのアノマリーを制御下で民間に放逐すると、対象アノマリーに概念的関係性を持つ民俗伝承が波及し、最終的に支配的になる。
プロジェクトのアプローチはこの点に存在する。特定の民俗伝承を持つアノマリーを一般に開放することで、人類全体-アノマリーの全般的な概念的関係線を一意に集約することが可能であると考えられており、この方法論は有効であると実証されている。プロジェクトは集約シンクを人為的に創造し、これをSCP-3242-JPとして定める。
候補
1. SHAPE SHIFTER (搬入済)
不定形・可変の存在であり、検知した生物の外見的性質を完全に模倣する性質を有するアノマリー。
2. CHUPACABRA
南米付近で目撃され、その後の民俗伝承として言い伝えられるUMA。
3. SPIRIT
死者の魂の顕現であるとされ、亡魂とも呼ばれる。
幽霊 (GHOST) 、悪魔 (DAEMON) 、雪男 (ABOMINABLE SNOWMAN) を含む、500+の候補を省略
後文: データベースに対する一時的回避策として、シェイプシフターがSCP-3242-JPとして搬入される。SCP-3242-JPは、データベース中に存在する伝承を侵食する形で拡散され、次のようにふるまうよう指向される。
- 「シェイプシフター」は、あらゆる神話生物の根源または正体・本性であると広く言い伝えられるようになるまで放逐され、
- 神話生物、寓話的存在と概念的関係を緩やかに結合・統合させ、
- 他の伝承を希薄化させることで、データベース中の「興味のある」エンティティ数を低減させる。
補遺終了
この文書によると、全世界的な伝承・伝説の大部分は財団により操作されており、ほとんど全ての神話の正体が「シェイプシフター」であると錯覚させる、偽造された神話を作っていることになる。雪男も、スピリットも、妖怪も、世間一般には「シェイプシフターの」仕業であると認知されており、そのため他のエンティティに対する興味が薄れている。これで合ってるか?
そうだ。
だが本来の「シェイプシフター」は不服だろう。奴がどのような方法であれ脱獄するのは、目に見えていた。
違う。奴には協力者が居た。プロジェクトの関係者だ。そいつは奴と悪魔の契約を交わした — シェイプシフターの脱獄に協力する代わり、プロジェクトの多大な脆弱性について沈黙するよう要求した。
脆弱性?
プロジェクトの根本的な設計に関するものだ。多大な電力消費と未確認生物の取り扱い、そのリスクについて、プロジェクト関係者は互いに隠し続けていた。管理面から、その手の問題を修正するのには多大な費用を必要としたからだ。
シェイプシフターの予期せぬ振る舞いにより、このプロジェクトは大いに瓦解する可能性があった。我々は要求を承認し、彼を制御下でより自由に放逐する代わり、仕事に従事するよう命じた。
…
ホルバー博士、お前の言い分には幾つかの問題点と矛盾が存在する。その行為が重大な過失であることは言うまでもないし、行動の際に倫理委員会が黙っちゃいないだろう。それにも関わらず、お前たちは実行できた。
誰かが介入している可能性が高い。お前たちは騙されている。
注視するつもりだ。無い足元を掬われる気はない。
注目される容疑者の候補
- スコット・ガマー博士 — 前哨基地-58 超常工学者
- フィリス・ファーマー博士 — 前哨基地-58 民俗学者
- ショーン・サヴェージ技師 — 前哨基地-58 技術職員
- ジェフリー・サンチェス技師 — プロジェクト・クロージャ 設計
[26の候補を省略]
補遺3242-JP.V » 経過観察
前文: 以下のログは、2025/01/20前後にかけて発生した、前哨基地-58における目撃情報記録の抜粋です。
被目撃者: スコット・ガマー博士
状態: 生存
エピタフ: スコット・ガマー博士は、勤務状況のため前哨基地-58には滞在していなかった。インシデントの前日、ガマー博士はフィリス・ファーマー博士に呼び出され、前哨基地-58に配属されていた過去の時点の業務上過失を理由として、即座に前哨基地へと帰還するよう脅迫されていた。
不審に思ったガマー博士は、参照施設-27の管理当局に対し問題を報告した。この結果、ファーマー博士が指摘する業務上過失は記録上のどこにも存在しないと説明された。ガマー博士は、その後の精神鑑定により重度の前向性健忘を患っていることが発覚し、インシデント後デブリーフィングの過程で記憶補強剤を投与された。
被目撃者: フィリス・ファーマー博士
状態: 生存
エピタフ: フィリス・ファーマー博士は、インシデントの数週間前から度々SCP-3242-JPの研究に携わっていた。その過程で、SCP-3242-JPに対する直接の訪問や聴取が彼女自身により実施されたことから、SCP-3242-JPと直接交流の機会があった。
ファーマー博士はプロジェクト・クロージャの密接な関係者であり、事件直前までプロジェクトの致命的な設計問題を察知していたにも拘わらず、事態を報告しなかった。この事実は、彼女自身の分析ファイルとプロジェクト書類に記録されている。特筆すべきことに、これらの度重なる規定違反が目撃されているにも拘わらず、ファーマー博士の如何なる懲戒処分も報告されていない。
被目撃者: ショーン・サヴェージ技師
状態: 死亡 (他殺)
エピタフ: ショーン・サヴェージ技師は、インシデントの当日まで前哨基地-58の技術職員として勤務していた。事件当日、彼は同施設の民俗学者であるファーマー博士に呼びされた後、長期にわたって行方不明となった。SCP-3242-JPファイルの作成後、調査チームによる研究本部ムネモシュネの初期調査が行われた際、彼は白骨化した状態で発見された。
被目撃者: ジェフリー・サンチェス技師
状態: 死亡 (自殺)
エピタフ: ジェフリー・サンチェス技師は、インシデントの数週間前からファーマー博士との交流の際、度重なる脅迫を受けていた。その情報は外部に露見していなかったものの、個人ファイルに残された独白により発覚した。サンチェス技師は、インシデント後の初期調査の際に研究本部ムネモシュネで発見され、自殺であることが確認されていた。
後文: 注目される要素から推測されるウィリアム・ホルバー殺人事件の容疑者の候補は、それぞれ以下の確率で真犯人に該当すると判断されています。
| 候補 | 確率 |
|---|---|
| スコット・ガマー博士 | 中 |
| フィリス・ファーマー博士 | 高 |
| ショーン・サヴェージ技師 | 低 |
| ジェフリー・サンチェス技師 | 低 |
| «26の候補を省略» | |
ウィリアム・ホルバー殺人事件の容疑者が断定され、SCP-3242-JPの有力な候補が発見されたため、オペレーションは中断されました。オペレーション・アンダーテイカーに対する結論が用意されました。
補遺終了
補遺3242-JP.VI » 結論

OPERATION UNDERTAKER
CONCLUSION
2025/11/10
カロン・マクダイス通信士
前哨基地-58
ケースファイル: SCP-3242-JP
結論: ウィリアム・ホルバー殺人事件の容疑者はフィリス・ファーマー博士であり、関連するインシデント、および殺人事件自体の首謀者として内部保安部門の捜索対象となる。現在、フィリス・ファーマー博士に対応するIDデータが研究本部ムネムシュネの特定位置に残留しており、この実体はファーマー博士本人の遺骸であるか、SCP-3242-JPの本体である可能性が高い。
ファーマー博士/SCP-3242-JPの確保のため、当人に対する動議が提出・可決された。削除部門/研究本部ムネモシュネに接続されたネットワーク上の全ての実例はSCP-3242-JPへ干渉してはならず、オペレーション手続きの如何なる損害も許容されない。前哨基地へのアクセスが可能になると見込まれており、容疑者の確保は近日中に実施される。
補遺終了
YOUR EPITAPH HAS BEEN MARKED FOR DELETIONS
墓碑銘は刻まれた。収容試行が完遂されるか確かめてみよう。
補遺3242-JP.VII » [無題のファイル]
» reqest timelineUpdate-Area58-rMA5v0XXq1rmm2WtRr6gYHDBeSS4vG
前文: ユーザーの要求により、前哨基地-58のタイムラインアップデートが行われました。現在、以下に最新の時系列順ログを表示しています。この変更には時間がかかる場合があります。
概要: 研究本部ムネモシュネと同化した前哨基地-58に対し、財団から派遣された調査チーム (機動部隊ファイ-19) が投入される。その一連の光景は、ムネムシュネのネットワークに同定される監視カメラ・録音装置・センサー反応により観測可能である。
アップデート: 監視カメラの情報からは、調査チームがムネモシュネの内部構造に侵入し、目的の地点に向かって直進している様子が確認できる。機動部隊ファイ-19の面々は、この時確認された一連のノイズ音に加え、数多の叫び声に対して無反応である。ファイ-19が直進する度に、叫び声は遠くなっていく。
アップデート: ファイ-19は、ムネモシュネの地下構造の一部が前哨基地-58の基礎構造と混在している状態を説明し、直進ルートが阻害されていることを確認したのち、別の道に向かって進み始める。監視カメラには、定期的なノイズと明滅が記録され、削除部門を示す無数のシンボルが、位相空間の状態に関係せず出現するようになる。
アップデート: 液体の滴る音が鳴り響く。
アップデート: ファイ-19は司令に対し、前哨基地-58の構成要素に浸透したSCP-3242-JPの大部分は活発に活動しておらず、ファイ-19の侵入に対して無抵抗である旨を説明する。ファイ-19とSCP-3242-JPの概念的関係線がフィリス・ファーマー博士を示していることから、ファイ-19の面々は、足元に広がる、黒く薄暗いSCP-3242-JPの実体を認識できていない。彼らが歩みを進めるほど、足はSCP-3242-JPにより浸食されていく。
アップデート: ファイ-19は無抵抗でSCP-3242-JPの内部を進行する。長時間にわたる移動の中、ファイ-19の一部メンバーはSCP-3242-JPの実体に飲み込まれて窒息死する。
アップデート: ファイ-19は進行しており、凡そ1分おきに1名の部隊構成員が窒息死する。ファイ-19のメンバーの1人が、SCP-3242-JPの異臭により嘔吐し気絶する。残りの部隊はメンバーを救出せず、そのまま進行し続ける。
アップデート: ファイ-19は、フィリス・ファーマー博士の所在地に到達する。ファイ-19のメンバーは全員死亡している。そのため、所在地には誰も存在しない。
アップデート: 誰も存在せず、血の滴る音のみが響き渡る。
アップデート: 音の先には、瓦礫の山にかけられたIDカードが確認できる。着用者はいない。IDカードは空白で、それを着用していた形跡は全く存在せず、遡及的にも確認されない。
特筆すべきことに、「フィリス・ファーマー博士」と同名の人物は前哨基地-58に存在しない。
アップデート: 全ての接続が停止する。突如として、SCP-3242-JPのエントリを持つSCP財団の全般的なデータベースが侵害され、内部データが空のプレースホルダー文書で埋め尽くされる。この圧迫により、古いバージョンのSCP-3242-JP文書が適切な参照から外される。
補遺終了
畜生が。
補遺3242-JP.VIII » 延長された討議
前文: 発生したインシデントについてのデブリーフィングが必要であると判断されたため、関係者の緊急招集が実施されました。以下はログの抜粋です。
«ログ開始»
<マウロ管理官を含む数名は、参照施設-27の全保護バンカーに避難している。マウロ管理官は出入口にバリケードを設置しようと試みており、息切れしている。>
ガマー博士: やめ — 止めましょう、そんな事をしても無意味だと分かっている筈です。
マウロ管理官: ああ、こんクソが。やってみない事には分からないだろう!死ぬよりも —
ガマー博士: 我々は今まさに死ぬよりも恐ろしい目に逢っているんですよ!ラオ局長は息絶えました。他の皆もそうです。彼らは消されました。彼らは削除されたんですよ!
マウロ管理官: なら奴の目的は何だった!?最後まで俺たちを削除しようとしなかったのは何故だ!?
ガマー博士: 奴は待ってたんですよ、ずっと。私たちがデータベース問題を発見して、そいつを文章化して、挙句の果てにはSCP-3242-JPに関するストーリーを書き上げるまでね!奴は自分自身と人類文明との概念的関係線をより強固なものにしようとした。そして……実現された。
マウロ管理官: データベースは復元できるのか?
ガマー博士: 技術的には — いえ、技術的にも不可能です。SCP-3242-JPのデータベースはプロジェクト管理者の権限でロックされており、全てのサーバーコピーは初期バージョンで上書きされています。現存する最新版は、参照施設-27のファイルのみです。
マウロ管理官: なら削除部門はどうだ!?奴らは削除されたアイテムについて精通している筈だ —
ガマー博士: 削除部門こそがSCP-3242-JPです。そして今、我々は奴に狙われているのです。今直ぐにでも対処したいですがね、生憎出来ることは無いんですよ!我々は全くもって八方塞がりなのです。
<沈黙。>
ガマー博士: SCP-3242-JPは、恐らく他の財団ネットワーク上では「フィリス・ファーマー博士」だと言及されるようになり、そして全サーバーは存在しない標的に対して捜索を続けることになります。私たちはこれをバックアップしなければならない。最も安全な地点に最新版を保存し、持続させ、次の適切な代表者が事態を検出できるように仕向けなければならない。
<ガマー博士はフロア-r34の除外室に電話をかける。回線が用意されていないにも拘わらず、電話が取られる。>
マウロ管理官: おい、どこに連絡している?
ガマー博士: サイト-01の緊急バックアップ施設です。これを除外設定された特別なアーカイブに直接保存するように —
マウロ管理官: どこに連絡しているのかと聞いているんだ!サイト-01の連絡先じゃないだろう、それは前哨基地-58の —
ガマー博士: ち — 違う!私はサイト-01に連絡している筈です。そんな筈が無い —
<ノイズに混じった機械音や衝撃音が鳴り、徐々にそれは音量を上げていく。機械音がピークに達すると、直ぐにノイズが解消される。>
不明な音声: 私たちは削除された。
ガマー博士: (囁き声)
マウロ管理官: おい……?
ガマー博士: 私は削除を免れた。マウロ管理官、あなたは削除されるだろう。
マウロ管理官: (叫び声)
«ログ終了»
» reqest timelineUpdate-Area58-LLyU7qYNv76FWAoh3lORE35NoNeA3J
ターミナルの制御が失われました。ログの読み込みが停止されています。
» reqest timelineUpdate-Area58-LLyU7qYNv76FWAoh3lORE35NoNeA3J
データベースが予期せず再起動しました。システムは応答していません。
補遺終了
END OF FILE 2/2
SCP Foundation Database側で問題が発生したため、ドキュメントの読み込みを再開しました。現在、SCP-3242-JPを記述する主要な電子情報はSCP-3242-JPの管理下にあり、情報の大部分は一部の職員に対してのみ公開されています。これは、定められた手順に対して順守が求められるMCアノマリーに対しての措置であり、関係していることから結論付けられました。
あなたがDoMCデータベースに精通した職員でない限り、この文書の閲覧は推奨されません。適切なエンコーダが何らかの原因で機能しない場合、あなたとSCP-3242-JPの相互関係は概念的関係線で示されることになります。
SCP-3242-JP
よくやった、私は削除を免れた。さあ、もうおやすみ。君の友達が待っているよ。
関連する伝承が隠蔽されたため、あなたは削除されました。
文字数: 49568






