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タイトル: ヴァンパイア・イン・ブギー・タウン・ナイツ
著者: ©︎EianSakashiba
作成年: 2025
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洞窟があり、そこに多数の蝙蝠がいた。
蝙蝠たちは洞窟の中で生きようとしていた。ある時は旅人を様々な手段で洞窟の中におびき寄せ、ある時は同胞の血すら飲み干して。蝙蝠たちは目が見えなかった。頼りにするのは音と、流体が喉を通る感覚と、生臭い匂い。
目の見えない蝙蝠たちは洞窟の外に興味がなかった。しかしある日、1匹の蝙蝠が同胞のものではない声を聴いた。
「お~い、こっち来ておくれよ」
蝙蝠は不思議に思い羽を動かした。好奇心もあった、だがそれ以上に予感がした。漠然とした何かが始まる時の空気の昂ぶりがあった。気のせいでも十分だった。
声の出どころは洞窟の外だった。音が反響しない蝙蝠たちは好んで出ようとしない。その蝙蝠も例に漏れず、洞窟と外の境目でもじもじと、右往左往しているだけだった。その時、奇跡が起きた。
その蝙蝠にまず、何かが溢れた。今まで感じたことがない、頭の奥がちりちり痛くなるような刺激だった。
「それは色、っていうんだねえ。そしてその刺激は頭痛じゃなくて眼精疲労によるもの。…ま、急に視覚を生やしたしヘナチョコでも仕方ないか」
声の主は答えた。蝙蝠の思考を読むように。
「さ、これが君の初めて見た景色だ」
蝙蝠は唐突に広がった世界をただ受け止めるだけで精一杯だった。本当に目の前の世界が広がったのだ。そもそも「目の前」という定義すら先程まで分からなかったのだ。
世界は暗くて、どこまでも道が続いていた。その途中、道標のようにきらきらと輝いているものがあった。道の終わりが分からないのに、道標の輝きは気にしていないように綺麗だった。
後から蝙蝠はそれの道が夜空、道標が星と言うんだと教えられた。
「大丈夫?それはねえ、泣くっていうことなんだ」
蝙蝠は自分の感情が分からなかった。その道の上に立つ道標を見ていると心の奥がじいんと熱くなるような、そこまで行きたいという焦燥に駆られるような、自分もそうなりたいという悔しさと高揚が混ざったような、それらが蝙蝠の根本を言語化できないものに変質し、新たな自分に生まれ変わった故の涙だった。
「…改めましてこんにちは、星見蝙蝠くん」
「私と一緒に、完全犯罪をしてみないかい?」
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2046/08/04 アウターオーサカ ウランバーナ区画
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