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タイトル: 僕が僕である、そのためのミュートロギア
著者: ©︎EianSakashiba
作成年: 2025
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夢の続きなんて見たくはないから。そういってあいつは自分の瞳に刃物を刺した。
財団とは異常を収容する檻であり、どれほど待遇を良くして権利を一般のそれに引き上げようとも、異常に対する扱いや認識は囚人のようなものと酷似する。鉄格子にぶち込み、手錠を繋ぎ、足枷を嵌める。そうして初めて社会に生きる人々の安全が保たれるのだと。
だが、財団職員にも多かれ少なかれ異常性を有する者がいる。ありえない確率の不運を引き寄せたり、触手型の足を持っていたりなど。彼らは財団に出会うエピソードが恵まれていたり自身の能力が財団の理念に大いに役立つと期待されたりして、看守の側に回ることができた。あいつもそうだった。
ある日、俺の所属する財団が気づいてしまった。そういった看守と囚人に何の違いがあるのかと。そして違いなど無いとして、檻に入ろうとしなかった彼らには死刑がお似合いだと。
墓に埋められるのは燃え滓の灰。無事だった目の片方だけがこの手にある。
俺、吾蜂 泰正あばち たいせいはまだ忘れられないでいる。あいつだった肉の塊が歌うアメイジング・グレイスを。
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2046/08/01 アウターオーサカ ウランバーナ区画
「よお…マジで来やがった」
「おまえ、紫煙まとうものとなるにしたがい、何をのぞむか」
我が腕に同族殺しの毒を。財団という場所で夢を見ることを諦めなかった親友を、殺してしまった罪の重さを。親友が着火してくれた、まだ俺の心に燃え続けている導火線を、目的地まで運んでくれる激鉄を。
どんな毒より毒々しい、紫の色を。炎に揺らめく火の粉と見紛うような、紫薔薇(しそうび)の花弁を。
おそらく彼女も、白の女王アリソン・チャオも聞いたのだろう。親しい人のアメイジング・グレイスを。
おそらく父か母か、肉親に相当する人か。財団へ親子2代にわたって就職する話は珍しくないが、その両方が異常持ちであり2999-JPの対象となるのは悲劇としか言いようがない。
忘れられない→忘れたくないのアバチ(トラウマは傷跡だから)
忘れていた→思い出してしまったのアリソン
で対比?
文字数: 1758



