狂乱深域:霊素に関する深海百科事典の記述

狂乱深域:霊素に関する深海百科事典の記述

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霊素(れいそ、英:Ghostly Element)とは、生物が死亡した際に排出されると考えられている未知の物質に対する仮称である。

歴史

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    1947年に行われた大規模深海調査の際、現在シンカイアルキ(AbyssalWalker)と呼称される種の死骸から小型の結晶が採取された。ビリー・テイラーら研究チームによる定性分析により、この結晶を構成する物質は既存の量子物理法則に当てはまらない全くの未知物質であることが発覚した。

分布

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    霊素は深海帯の海水に溶解している事が殆どであり、対照的に地上で高濃度の霊素が観測されることは極々希である。これは、霊素は非常に密度が高く難溶性の気体であるため、地上で発生した霊素が地形に沿って海まで流れ、高い水圧がかかる深度に達して初めて水に溶解するという奇妙な特性によるものだと考察されている。

性質

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    霊素は単体で存在する場合は、揮発性が非常に高く、固体では少し弾力の強い非金属以上の特別な性質を有さないが、他の物質と化合したり混合した場合特異な形質を発現する事が多い。例として、事故で人間が霊素を体内に摂取した際に「強い浮遊感と世界からの隔絶性」を感じたと報告されている。これは日本などの民間伝承に広く伝わる「幽霊」の持つ性質に類似している、と発想した有川義之ピークォド調査チームはこの物質を「霊素」と呼称し、後にそれが諸国で一般化した。またこの形質は当然人間以外も発現し、深海に生息する異鯨類、あるいはケートスと呼ばれる生物群の外皮は深海の水圧を非科学的な「疎水」力により無視しており、それによって生じる浮力の損失という問題を前述の「浮遊感」によって克服している。異鯨類研究家の桜庭有栖氏によれば、これら霊素を蓄積した物質は物理法則からほぼ完全に隔絶されており、それらを纏う異鯨類もまた物理法則、ひいては世界から隔絶した存在であると述べている。
    この性質を利用して、成立当初のピークォドにおいて「異鯨類外皮を利用した潜水艇及び潜水服の着工」という研究が行われたが、研究者の一人が当時残されていたデータや研究資料の多くを盗み、失踪したことで白紙化している。また、この技術は後にハンターによって体系化されている。

霊素に関連する項目

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    海水中に溶解している霊素の単位あたりの量。これが規定値より大幅に超過した海域は「エリア・トリトン=狂乱深域」として定義される。ピークォドの用いる潜水艦の多くは検知システムが搭載されており、狂乱深域に侵入した際警告を発するようになっている。

    霊素が主に生物濃縮などによって結晶化したもの。DGEが特に高い海域に棲むケートスからしか採れないため貴重であり、研究者などに裏ルートで高価格取引が為されている。

    海中を漂う粒状の霊素。正確には霊素そのものではなく、霊素を多く含んだケートスの死骸が分解された産物。こうして発生した粒状霊素を多く摂取したケートスはより強靱な組織を持つように「進化」を行う。

文字数: 2287

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